2月読んだ本
◆それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも? /大嶋信頼
トラウマについての全般と、それに伴う影響、そして著者が提唱するそれへの対処法。
トラウマは解離、そして記憶がきちんと消化されずに終わっているという考え方で、その出来事が引き起こす根源的な恐怖を避けるために人間はいろいろな「回避」行動を取るということ。回避するための行動なので一見では原因がわからない、そしてわからないのは本人にもわからない。
トラウマむずすぎだろ…ってなったけど、頭の片隅に一回置いておくと「ユニークな」反応をする人にあった時に多少役にたつかもしれない。
久々なんか概念的に理解が難しくて興味深かった。著者の他の本が気になった。
◆いけちゃんとぼく/西原理恵子
不思議なおはなし。最後まで読んでやっと読後感が出る感じ。好きかと言われると、そこまで刺さらなかった。
有名な戯曲。ヨカナーンに迫るサロメの言い回しとヨカナーンの撥ねつけ、サロメの「おねだり」に対する王のアタフタ、そしてそこからの加速がよかった。
これを読んでから1週間位して思ったのは、声のでかい、もしくは奇跡を起こしすぎる預言者は殺されるということ。占い師のようにひっそりと王と通じるべき、というのをマシュバーニーの新作を見ながら思った。
◆図解西洋占星術 F FILES No.019 羽仁礼/著 新紀元社
図解雑学的な1ページの文字と1ページの図のセット構成。網羅的。ペラっとめくっただけ。紫。
◆未来事典 3年後の私がわかるサビアン占星術 松村潔/著 角川書店
自分のページだけで読んだがなかなかヴァイヴス上がった。
◆サイン・シンボル事典 ミランダ・ブルース〓ミットフォード/著 三省堂
フルカラーで本当に素敵な図鑑。子供に読ませたらワールドワイドになりましょう。
2020年1月読んだ本
◆新板 神々のドラッグ/テレンス・マッケナ
いやーここ最近の一番のヒット。ドラッグまじ全般を歴史から見ていく。めちゃくちゃ緻密な考察なので解像度がすごい。歴史全般そこまで興味は強くないので興味ない歴史は若干流し読み。大きな流れでドラッグを把握できたのは良かった。
◆快感回路 ディヴィッド・J・リンデン
なかなかおもしろかった。2012年日本初版の本なので現在の研究だともっとすごいことになってるんだろうな。
ドーパミンにまつわる「いろいろな」快楽についての脳研究。アヤワスカまで取り扱っているとは思ってなかった。
巻末の出版社の他の本もおもしろそう。
・確信する脳 「知っている」とはどういうことか
・孤独の化学 人はなぜ寂しくなるのか
・「うつ」がこの世にある理由 作られた病の知られざる真実
・脳の中の万華鏡 「共感覚」のめくるめく世界
◆アルカロイドの化学
専門的すぎて全然読んでない。化学をかじったらもうすこし面白くなるんだろうか。
ペラペラと眺めてたら分子式?が可愛く見えてきたので良しとしよう。
◆アルカロイド 毒と薬の宝庫
こっちもアルカロイド。こっちの方がまだ読める感じの文章比率。読んでないけど。アルカロイドにもっと興味を持ったら読むといいだろう、未来の僕。
◆脳によく効くクスリ
脳に「効く」違法から合法からエッセンシャルオイルから媚薬までめちゃ詳しいムック本。
特に医薬品の一覧がびっくりするくらい詳しい。どこの製薬会社から何ミリのクスリがあるかってのが出てる。著者が薬学出身らしいのでそのせいか本にユニークさを与えている。
12月度図書館本
・ターナー
あのよくある文庫よりちょっと大きいくらいのフルカラーの図画と文章がたっぷり載ってるシリーズのやつ。知の再発見双書っていうねんな。
イメージよりめちゃくちゃターナーかっこいい!ってなった。とくに水彩画のセンスがバツグンすぎる。なんでこんなに人気なんだろうと思ってたけど、納得。こりゃすごい。
・毎日かあさん 5冊
図書館が今月10冊までだけど半数が予約本で10冊も読めねえよってことで毎日かあさん一気借り。神経質な育児をしてすり減ってる親は数回読んだほうが良さそう。
・<図説>アラビア文字辞典
素晴らしい。これで練習している。文字自体に美しさがある。
・ニック・ランドと新反動主義
装丁がまず最高。いつも職場の休憩時間に本読んでるんだけど、珍しく何の本読んでるんですか、ホラーですか、と聞かれた。説明するのも難しそうだし相手も興味ないだろうからダークウェブとかが載ってるよくわからない本です、と答えておいた。
読み終えたがめちゃくちゃいいなこれ。新書だからざっと読めるし、濃いからたぶん1回目じゃ全然読みきれてない。
音楽と哲学ってこんなにシームレスに語れるんだ。
中高生の時に読んでしまっていたら影響がやばそう。
・ヴァレリー・セレクション
ツイッター的アフォリズムのところがある。多分これはタイミング的にほとんど読まずに返しそう。
・タオ自然学
全然読んでねえ。まあいいか。
・さわれば分かる腹診入門
読むの忘れてた
・島/オルダス・ハクスレー
今50Pほど読んだがこれはかなり好きそう。小説読むの苦手だから読み通せるか怪しい。
・レトリック感覚
借りるタイミングを間違えた。まえがき読んで終わる。
ほぼ読んでない。
・図説 快楽植物大全
こんなにも沢山の知らないサイコアクティブな植物がこの世にはあるのか。生きるのが更に楽しくなるな。濃すぎて十分の一くらいしか読めてない。友達が買ったらしいから今度読ませてもらおう。
・大麻 禁じられた歴史と医療への未来
拾い読み。情報を入れる感じで雑学的なん。CBDオイルは試してみたいな。
7割くらいは読んだ。読んでるが意味わかんね。まあ1回目だからこんなもんだろう。英語版のサイケデリックバージョン頼んだから下準備と言うことで。
・宗教を知る 人間を知る
河合隼雄、加賀乙彦、山折哲雄、合庭淳の4人がバラバラに宗教を語る。河合隼雄しかしらんが、知ってるし読んだことあるからか、めちゃめちゃスッと入ってくる。サラッと読めた。濃くはない。
・感性の限界
20Pくらいで全然今の感じと違う気がして読むのをやめた。
とっても良かった。連句的な感じで相互に詠み合い溶け合い流れる短歌や散文。
冷蔵庫の扉を細く開けたままスリッパのまま抱き合う夜は 穂村弘
借りた本
チョコレートからヘロインまで
古いがすごく網羅的で面白い。ドラッグなしでハイになるには、の章も短いが良かった。最後らへんについている体験記も楽しかった。
フロー体験 喜びの現象学
以前からずっと読みたかったんだけど、タイミングが違ったのか全然読まずに終わった。フローの入り方はなんとなくわからなくもないし、たまにあるから必要性を感じていないのか。
小沢健二の帰還
前半面白く読んだけど、後半はブームがスピリチュアルに行ってたからか淡々と読む。
うさぎ!の存在を知れたのが一番の収穫かも。
サバイバル時代の健康術/高城 剛
アーユルヴェーダはちょっと知っているので、情報補強な感じ。スリランカの情報はありがたいがこの本5年前だしな。とりあえずアーユル3週間くらい行きたい。ただ西洋人向けだと一泊1.5万以上くらいはする感じなので現地の人用に行くか、金を貯めるか。
毎日かあさん 6
毎度のことながら生命力と愛に溢れている。
サイケデリックスと文化 -臨床とフィールドから- /武井秀夫+中牧弘允【編】
今回の一番の当たり。
学術者が書いているサイケ本はまじで珍しいだろうから助かる。視点が一般ユーザーと全然違うからいいな。日本でも昔LSDで実験してたんだ。
映画 CLIMAX/ギャスパー・ノエ の感想
Inland Empire振りにパンフレットを買った。パンフレットの表紙が部屋にあるだけでテンション上がるっていいよな。めちゃかっこいい
ラストの溶ける映像の美しさ、これだけでこの映画を見る価値がある。このシーンを見せるためにこの映画は存在したのじゃないかと。CLIMAXというのがどこを指すのか、狂気のCLIMAXでもあるだろうけど、僕は今からアシッドが効いてくるタイミングの溶けていくシーンがCLIMAXだと思う。
飯塚幸三が伊藤英明達を錬成する。飯塚幸三(結局誰かはわからなかった)的なやつが無防備な集団にLSDを打ち込む。準備もできてないし人間も出てきてないやつらは、伊藤英明のようにコンビニに駆け込み、「おかあさーん!」とできればまだマシだったが、吹雪の中隔離された空間でそれもできず。
とにかくダンスがめっちゃかっこいい、クランプダンスとヴォーグダンスがしたくなる。めちゃくちゃ気持ちいいだろうな。クランプダンスは音楽で言えばハードコアパンク的な?フィジカルに全部をぶつける。そこには陶酔はなさそうで、ひたすらな発散。ヴォーグダンスはなんなんだろうなあれ。フェミニンすぎるきらいがあるので異性愛者の男には少しハードルが高いが、それでもあの優美さと、腕のみをメインで使うという限定性に強く惹かれる。昔ある友人が、おもしろいやつは両手だけでも面白いことできると言っていて、まさにそうだなあと。マスキュリンなヴォーグダンスは可能?それはボディビル大会のようになるのか。
ドラッグ、危険ダメ絶対!の啓蒙映画になるな。パンフレットにも書いてたけど18禁だし強制して見せるものではないけど、推薦くらいはしてもいい。妊婦はまず見ないほうがいいだろう。
酒と煙草は瞬間的な危なさは他のドラッグに比べたらマシだが、長期に渡ってほどよく人を蝕む力がある。
現状は酒は水分として摂取しているが、これが濃縮とか錠剤、Vapeになったら危険度増すんだろうな。
MDMAとかは治療にも使われたりできるというが、医療用までだな。錠剤数粒で死ぬ薬とか怖すぎるだろ。
地獄では日頃の思考と習慣が明暗を分けるというのがよくわかった。日頃の行いを改めましょう。
家のテレビで観たら全然違う映画になるだろうな。没入度が減ると笑ってしまう回数が増えそう。
タイラーの妹ガゼルの、全体から漂うタイラーザクリエーター感。
宗教、民俗学的に見ると、ハレの儀式にはシッターや長老的な存在が必要だな。
長い歴史の中でお祭りが儀式として成り立っていった理由がよく分かる。
スピリチュアル的にも、精神変容の物質を摂取するにも、指針がないと危ない。
大きな力には大きな責任が伴う。
意外だったのは、Enter The Voidであったような幻覚の描写がまったくなかったこと。ドラッグを摂取した人を客観的に見る映画ので、果たしてこの映画がドラッグムービーかどうかと言われるとわからないな。
前作のLOVE 3Dではアワヤスカが登場していたと読んで、当時は全く気づかなかったので映画をスキップしながら該当のシーンを探すと確かにあったが、特別な描写もなくて、なぜその描写を入れたのかがわからなかった。全編通してちゃんと観てみれば前後関係がわかるのかな。
この映画はダンスシーンとラストの画面が溶けるシーン(そこからつながるシークエンスとしてのオープニング)、この2つが圧倒的に印象的だった。
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細々とした感想が多かったのでTwitter連投はうっとうしいからメモ書きして、ちょこっとだけ膨らませてみた。この書き方は嫌いじゃないな。
関係ないが今久々にメシアンのオルガン曲集を聴いているが、まじでこいつは何をしたいのかわからん。
大体なんか不穏な空気感で怖いし。
ラム・ダス「覚醒への旅」で引用されていた本、人名リスト
覚醒への旅~瞑想者のガイドブック~
ラム・ダス
原著 1978年 日本語版 1980年 発行
◆本 83冊
神秘のばら園/マハムード・シャバスタリー
法句経
自由の神話/チョギャム・トゥルンバ
解放の珠玉/ガンポパ
人生/シモーヌ・ヴェイユ
初心禅心/鈴木俊隆
ディヴァニ・シャムズ・タブリーズ選詩/ディヴァニ・タブリーズ
莊子の道/トーマス・メルトン
シュリ・ラーマクリシュナ/シュリ・ラーマクリシュナ
シュリ・ラマナマハリシと語る(「との会話」表記ver.あり)/シュリ・ラマナマハリシ
講話/メハー・ババ
チベットの偉大なヨーギ、ミラレバ/ミラレバ
道場規律/スワミ・ブラーマナンダ
ミラレバの十万歌(頌の表記もあり)/ミラレバ
怠け者のための悟りガイド/タッデウス・ゴラス
仏教経典/サラハ
修道士の歴史/パラディウス
永遠の哲学/ウィリアム・ロー
カシュフ・アル・マハジューブ/フジュウィーリー
無数の教え/シュリ・シャンカラチャルヤ
イスラムの秘教教理入門/ムハマッド
心の祈りについてのフィロカリア/聖ヨハネ・クリゾストム
キリスト教徒仏教の神秘思想/サイチ
カルメル山登はん/十字架の聖ヨハネ
巡礼の道/作者不記載
無垢の予兆/ウィリアム・ブレイク 詩?
シュリ・ラーマクリシュナの福音/シュリ・ラーマクリシュナ
禅と日本文化/良寛
禅の福音/禅林
神の知恵/シュリマッド・バガヴァタム
アクウェザン・ノート/クロー・ドッグ一族の男
自意識の体験/ジョセフ・ゴールドスタイン
第一のステップ/ラビ・ツァルマン・シャヒター
チベットのヨーギの教え/ティロパ
無知の雲/作者非掲載
チベットの大いなる解放の書/パドマサンバーヴァ
サマタ・マガジーン/第十五代ギャルワ・カルマパ
シン・シン・ミン/セングスタン
チベット/トゥッテン・ジグ・ノルブ
アリの金言/アリ
道徳経/老師
仏教経典/セングスタン
ヘルメス博物館/フィラレテス
中国とインドの知恵/莊子
チャイルド・ハロルドの遍歴/バイロン卿
内なる世界/ヨーガ・ヴァシシュタ
奇跡を求めて/グルジェフ
初期の教父たちのフィロカリア/作者不記載
自由の神話/チョギャム・トゥルンバ
精神の展望と人間の行為/ムハマッド
諸宗教の超越的な一致/ヤフヤー・ラーズィー
百七十の中国の詩 より/チ・カン
バガヴァッド・ギータ/作者不記載(ヴィヤーサ)
類推の山/ルネ・ドーマル
神の意志のままに/聖フランシス・ドウ・サル
神の御前の修練/ブラザー・ローレンス
光の道/サンティ・デーヴァ
アン=ナワウィの四十二の伝統 より/ムハマッド
純粋さの道/ブッダゴーシャ
ジョン・タウラー博士の生涯と説教/ジョン・タウラー
東方の詩文/バーヤジード・バスターミー
カバラの道/ゼブン・シモン・ハレヴィ
フアン・ボーの禅の教え/フアン・ボー
研究/アブ・サイド・イブン・アビル・トカイル
東と西の女聖者/シュリ・ラーマクリシュナ
ハズラット・イヤナット・カーンのスーフィー教本/ハズラット・イヤナット・カーン
求道者への案内/スワミ・ラムダス
ダルマ図集ーチベットの仏教芸術/チャギャム・トゥルンバ
イディッシュの喜び/レオ・ロスティン
禅の肉、禅の骨/ポール・レプス
神秘のバラ園/シャバスタリー
聖なるパイプ/ブラック・エルク
◆人の言葉 24人
シンショウ
ラム・タース
スルヤ・シンガー
K・K・シャー
マハラジ・ジ(ニーム・カロリ・ババ)
ラビア・エル・アダウィア
ソーマ・クリシュナ
エド・ラヴィン神父
サラスワティ・ランソム
タラ・ベネット
ローラ・ハクスレイ
マイスター・エックハルト
ゼンゲットソー
ルーミー
マイスター・エックハルト
クン・ティンガン
トーマス・メルトン
ある帰依者
アイドリス・シャー
ルーミー
◆歌 1曲(これと別に楽譜がついたマントラが2つ載っている)
シュリ・ラーマクリシュナの福音/ベンガルの歌
◆感想
表記が独特のやつが5%くらいあったが、だいたいわかればいいだろうと適当に少し修正して書いた。後、本が古いから「゜」と「゛」の区別がつかないところが多数、これは一旦勘で書いた。
読書猿の影響を受けて、一度やってみたかった引用本の書き出しをやってみた。
思ってたとおりに楽しいなこれ。マルコムXが刑務所入っている時に辞書を丸写ししたというエピソードが映画であったが、これ楽しいからが8割くらいだな。まさに写経。
参考文献リストが載ってない本は時にブックガイドとして使いにくいから、100年以内にこの文章が誰かの役にたてばいいなと思う。
聖書と宇宙起源仮説との符号
古事記の出だしは「古天地末剖陰陽不分(古に天地わかれず陰と陽もわかれざるときがあった)」。ゆらぎで宇宙が生まれたという説にピッタリだな。
そうなると聖書の出だしはどうなるかというと、「初めに、神は天地を創造された。 地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。 神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。」
イメージでは、聖書の方は言葉スタートかと思ったけど、ちゃんとこっちもゆらいでんねんな。